その営業、迷惑だと思われてませんか?僕が体験したヘタすぎ営業の実態


さくちょ
2025年4月、僕は法人を設立しました。
これから事業をさらに大きくしていくぞ!
⋯と意気込んでいた矢先、会社に鳴り響く一本の電話。
それを皮切りに、待っていたのは新米経営者を狙った怒涛の「営業電話ラッシュ」でした。
- 「御社の未来のために、素晴らしいご提案が…」
- 「ぜひ一度、Zoomで30分お時間をいただけませんか?」
僕の会社の未来を考えてくれるのは、嬉しいことなのかもしれません。
でも、不思議なことに、その言葉は僕の心に1ミリも響かなかったんです。
今日は、僕が実際に体験した「営業ヘタすぎ!」な電話を元に、多くの人が見落としているビジネスコミュニケーションの本質について、あなたと深く考えていきたいと思います。
営業ヘタすぎ!な電話に共通する「致命的な欠陥」

法人を設立して以来、本当にたくさんの営業電話を受けました。
そのほとんどに共通していたのが、僕を心底うんざりさせる「ある特徴」です。
- 「御社の事業に貢献できます!」
- 「社長、お時間ください!30分で結構です!」
いきなり電話をかけてきて、こちらの状況もお構いなしに「時間をくれ」の一点張り。
正直、こう思いました。
「今いきなり電話してきて、Zoomで30分? どういうことやねん…」と。
なぜ、彼らの言葉はこれほどまでに響かないのでしょうか。
それは、決定的に欠けている要素があるからです。
相手の時間を奪っているという意識の欠如
多くのビジネスパーソンにとって、時間はお金よりも貴重なリソースです。
お金は後からでも稼げるかもしれませんが、時間は誰にも平等に1日24時間しかなく、二度と戻ってきません。
その貴重な時間を、何の説明もなく「くれ」というのは、相手への敬意が欠けていると言わざるを得ません。
道端でいきなり「あなたの人生を良くしたいので、カフェで30分話を聞いてください!」と言われても、「は?」となりますよね。
それと全く同じことを、彼らは電話越しにやっているのです。
抽象的すぎて何も伝わらない自己満足
- 「御社の未来のために!」
- 「業績アップに貢献しますので!」
一見すると聞こえは良いですが、これでは何も伝わりません。
僕が本当に知りたいのは、その言葉の先にある「具体的な未来」です。
- あなたの提案で、僕のビジネスはどう変わるのか?
- どんな課題が、具体的にどう解決されるのか?
- 僕が30分という時間を投資する価値のある、どんな見返り(ベネフィット)があるのか?
この問いに即答できない営業は、ただの自己満足。
「その言葉だけじゃ、僕には何にも響かないってことなんですよ」
心を動かす営業の本質は「徹底した顧客目線」にある

今回のうんざりするような体験は、僕にとって最高の反面教師となりました。
そして、僕がサラリーマン時代にコンサルタントとして15年以上、ずっと意識し続けてきたことの重要性を再認識させられました。
それは、徹底した「顧客目線」です。
自分の言いたいことを一方的に話すのではなく、相手が本当に知りたいことを、相手に伝わる言葉で語る。
これこそが、あらゆるコミュニケーションの核となる考え方です。
「特徴」を語るな、「ベネフィット」を語れ
マーケティングの世界でよく言われる「ドリルを売るには穴を売れ」という言葉があります。
お客さんが欲しいのは「ドリル」というモノ(特徴)ではなく、「綺麗な穴を開けられる」という結果(ベネフィット)だ、という意味です。
これを情報発信や営業に置き換えると、
「特徴を語るな、ベネフィットを語れ」
という言葉になります。
- 特徴:「私たちの提案は素晴らしいです!」
- ベネフィット:「この提案で、あなたの毎日の残業がなくなり、家族と夕食を囲めるようになります」
どうでしょうか。
後者の方が、少し「ん?どういうことだろう?」と興味が湧きませんか?
相手の心を動かしたければ、あなたの商品のスペックや自慢話ではなく、それを手に入れることで相手の未来がどう豊かになるのかを、ありありとイメージさせてあげる必要があるのです。
最初の3秒、長くても20秒で「聞く価値」を示せ
時間は有限です。
特に飛び込みの営業電話なら、最初の数秒が勝負でしょう。
この短い時間で「お、この話は聞く価値がありそうだ」と思わせられなければ、その時点で終わりです。
抽象的な「未来のため」という言葉で時間を引き延ばすのではなく、
「この記事を読めば、あなたは〇〇という悩みを解決し、△△な状態になれます」
といった具体的なベネフィットを提示する。
そうすることで初めて、相手はあなたの言葉を「自分ごと」として捉えてくれるのです。
「顧客目線」は難しい。だからこそ価値がある。

- 「じゃあ、その具体的なベネフィットってどうやって見つけるの?」
- 「どうすれば、相手の心に響く言葉にできるの?」
そう思いますよね。
えぇ、難しいです。
難しいから、価値があるんです。
でも、自分が逆の立場になれば、そんなに難しくないはずなんです。
- 「こういう言い方をされると、なんかモヤッとするな」
- 「この説明は、すごく分かりやすくて納得できるな」
自分が営業を受ける側になったとき、そう感じた瞬間を逃さないでください。
その「生きた感情」こそが、あなたの顧客目線を磨く最高の教材になります。
例えば、休日にショッピングモールへ行って、ウォーターサーバーやネット回線の営業をあえて受けてみるのも良いトレーニングになります。
嫌な気持ちになったら、なぜそう感じたのかをメモする。
逆に、思わず契約しそうになったら、どんな言葉に心が動いたのかを分析する。
そうやって自分が体験したときの気持ちを何よりも大事にして、自分のビジネスに活かしてください。
そうすることで、あなたの言葉は自然と磨かれ、「本物の営業」ができるようになっていくはずです。
まとめ

今回は、僕が実際に体験した「営業ヘタすぎ!」な電話を元に、ビジネスにおけるコミュニケーションの本質についてお話ししました。
今回のポイントをまとめます。
- 下手な営業は、相手の時間を尊重せず、抽象的な自己満足の言葉を繰り返す
- 心を動かす本質は、徹底した「顧客目線」にある
- 「特徴」ではなく、相手の未来がどう変わるかという「具体的なベネフィット」を語る
- 最初の数秒で「聞く価値」を提示できなければ、話すら聞いてもらえない
- 自分が客の立場で感じた「生きた感情」を分析し、自分のビジネスに活かすことが最高のトレーニングになる。
自分の言いたいことを伝えるだけなら、誰にでもできます。
しかし、相手の心を動かし、行動を促すのは、徹底的に相手の立場に立った人だけです。
この「顧客目線」を磨き続けることができれば、あなたのビジネスは間違いなく、次のステージへと進んでいくでしょう。