AIとの協働で大失敗!6時間の作業が10秒で消えた僕が学んだ必須ルール


さくちょ
AIと一緒にコンテンツを作る。
そんな未来が、もうすぐそこまで来ています。
僕は最近、AIと一緒に自分のWEBサイトを作るバイブコーディングにハマっており、「これはすごい時代になったぞ…!」と興奮する毎日を送っていました。
AIに指示を出すと、まるで魔法のようにコードが生成され、思い描いていたデザインが形になっていく。
ブログ機能も実装できて、過去の記事を30本近く投稿し、「よし、これでベースは完璧だ!」と胸を躍らせていました。
まさに、AIが「単なるツール」から「最高の相棒」に変わる瞬間を体験していたんです。
…しかし、その直後でした。
たった一つの指示ミスで、半日以上かけて手作業で整備した30本の記事が、わずか10秒ですべて消え去ったのです…。
画面を見つめながら、文字通り「顔が青ざめた」のを今でも覚えています。
それはまるで、昔WordPressでサイトが真っ白になった時と同じ、心臓がキュッとなるような感覚でしたよ…。
あなたも、AIとのやり取りで「あれ?」とか「なんか指示が通じてないな…」とヒヤッとした経験はありませんか?
今回は、僕の痛い失敗談を正直にお話しすることで、あなたがAIとの協働で同じ過ちを犯さないための、そしてAIを本当の意味で「相棒」にするための、超重要な教訓を共有したいと思います。
6時間の作業が水の泡に…顔面蒼白になったAI事故の一部始終

正直、あの瞬間までは完璧でした。
AIとの対話でサイトの骨格を作り、ブログ機能(SanityというCMS)を実装。
過去に書いた大切な記事を、手作業で一つひとつ丁寧に投稿していく。
その作業に、実に6時間も費やしました。
- 「かなりいい感じになってきたぞ!」
- 「ここからどんどん記事を増やしていくぞ!」
そんな風に、未来への期待でいっぱいだったんです。
しかし、悲劇は新しい機能を追加しようとした時に起こりました。
テスト用に作った5件の下書き記事が不要になったので、僕はAIにこう指示したんです。
「この下書き記事、5件とも消しといて」
次の瞬間、僕の指示を受けたAIは、下書きだけでなく、公開済みだった20〜30本の記事もすべて削除してしまったのです。
「あぁー…やらかしたなこいつ…」
僕は思わず、AIに対して本気でそう思いました。
もちろんAIに悪気はないのですが、あまりのショックに、結構厳しく叱りました。
必死に復旧方法を探しましたが、僕が使っていたSanityは海外サービスでデータの復元は絶望的。
GitHubにもソースコードしか残っておらず、記事データは完全に失われました。
6時間かけて積み上げたものが、たった10秒でゼロになる。
この経験は、AIとの付き合い方を根底から見直す、強烈なきっかけになりました。
なぜ事故は起きた?AIが決して教えてくれない「記憶の断絶」

なぜ、こんな悲劇が起きてしまったのか。
原因は、僕がAIのある重大な特性を見落としていたからでした。
AIはセッションごと「別人」になる
AIチャットの画面を閉じ、また新しく開く。
僕らは同じAIと話し続けている感覚になりますが、実はこれ、大きな勘違いなんです。
AIは、チャットセッションが終わるたびに記憶をリセットします。
つまり、今日のAIは、昨日のAIとはまったくの「別人」なんです。
能力や知識は同じでも、僕とのやり取りの記憶は引き継がれません。
まるで、「昨日の担当はAさん、今日の担当はBさん」という状態。
これでは、細かいニュアンスや「言わなくてもわかるでしょ」という文脈が通じるはずもありません。
今回の失敗は、まさにこれでした。
僕はAIとずっと一緒に作業してきた気になって、「下書きだけ消して」と言えば伝わるだろうと、人間相手のような感覚で指示を出してしまったのです。
「具体」に夢中で「抽象」を忘れていた
これ、いま思えば、僕がサラリーマン時代に叩き込まれた「具体と抽象」の話とまったく同じなんですよね。
目の前のコードを書いたり記事を投稿したりする「具体的な作業」に夢中になるあまり、「万が一の事態に備える」や「AIとの共通認識を作る」という抽象的な全体設計を完全に怠っていました。
ブログ作りでも、一つひとつの記事がどんなに良くても、ブログ全体のコンセプトがなければ読者には届きません。
AIとの協働もまったく同じ。
どんなにAIの性能が高くても、「僕らが守るべきルール」という全体設計がなければ、価値あるものを生み出すどころか、すべてを破壊してしまう危険すらあるのです。
失敗から学んだ、AIを「最高の相棒」にするための3つのルール

顔面蒼白になるほどの失敗でしたが、おかげで大きな学びがありました。
それは「AIとの協働は、人間社会の組織運営とまったく同じだ」ということです。
この痛い経験から僕が確立した、AIを最高の相棒にするための3つのルールを紹介します。
ルール1:「やってはいけないこと」を最初に教える
人間相手の仕事でも、「これだけは絶対にやらないでください」という禁止事項を最初に共有しますよね。
AIも同じです。
僕は事故の後、すぐ「やっちゃダメリスト」という内容の仕様書を作りました。
- 許可なくSanity上のデータを削除しないこと
- 必ず操作前に「これをやりますが、よろしいですか?」と確認すること
そして、新しいセッションを始めるたびに、まずこのルールをAIに読み込ませるよう徹底したのです。
ルール2:人間と同じように「日報」で引き継ぐ
AIは記憶を引き継げません。
ならば、人間が引き継ぎをしてあげればいいのです。
僕は、主要な作業の終わりに、簡単な「作業日報」みたいな記録=ログを、AIに作ってもらうようにしました。
そして次の日、新しいセッション(つまり新しい担当者Bさん)に、このログを読んでもらってから作業を始める。
たったこれだけで、驚くほどスムーズに作業が継続できるようになりました。
AIに的確な指示を出し、プロジェクトを管理する。
こうしたAIマネジメント能力こそ、これからの時代に人間が担うべき重要な役割なのだと、身をもって学びましたね。
ルール3:失敗を「資産」に変える事故記録
最後に、今回の事故の経緯、原因、そして対策をすべて文書化しました。
これも、企業で問題が起きた時に「事故報告書」や「再発防止策」を作るのと同じようなものでしょう。
この記録があるおかげで、次に新しいAI(担当者Cさん)と組む時も、「過去にこういう失敗があったから、データ削除は特に慎重にお願いします」と明確に伝えられます。
失敗は、ただ落ち込むだけでは意味がありません。
記録して共有し、次の成功に活かすことで、初めて「価値ある資産」に変わるのです。
まとめ:AIは「部下」であなたは「マネージャー」

AIとの協働で大失敗した僕が、あなたに一番伝えたいこと。
それは、AIを「便利な魔法の杖」ではなく、「優秀だけど記憶喪失の新人部下」のように捉えようということです。
そして、あなたの役割は、その優秀な部下を導く「マネージャー」です。
- 明確なルール(就業規則)を最初に示す。
- 日報で進捗を管理し、的確な引き継ぎを行う。
- 失敗が起きても感情的にならず、仕組みで再発を防ぐ。
これらはすべて、僕らが人間社会=組織で当たり前にやっていることです。
AIという新しいテクノロジーを相手にするときも、大切な本質は何も変わりません。
AIスキルを磨くことはもちろん大事。
でもそれ以上に、AIを正しく導き、管理する「人間そのものの力」をアップデートしていくこと。
それが、これからの時代を最も賢く、そして心穏やかに生き抜くための戦略だと、僕は今回の失敗から確信しました。
もしあなたが今、AIとの協働を始めているなら、ぜひ今日の話したことの中から一つでもいいので、試してみてください。