AI時代を生き抜く「仕組み力」とは? ツール作りで終わらないための思考法


さくちょ
- AIを使って簡単なツールが作れるようになった
- CursorやChatGPTに指示を出せば、コードだって書いてくれる
でも、心のどこかでこんな不安がよぎっていませんか?
- 「これって、結局誰でもできることなんじゃないか?」
- 「AIの言う通りに作るだけなら、自分じゃなくてもいいのでは?」
その感覚、すごくよく分かります。
僕も以前は、AIに記事を書かせること、便利なツールを単体で作ることに夢中になっていました。
でも、ある時ふと気づいたんです。
これって、結局はAIというすごい道具を使っているだけの「作業者」の延長線上に過ぎない、と。
一つの記事を完璧に作れても、ブログ全体のコンセプトがブレていては読者には届かない。
それと同じで、個別のツールをいくら作れても、それらを組み合わせる「設計図」がなければ、本当の価値は生まれないんですよね。
今日の話は、そんな「AIツールは作れるようになったけど、その先に何があるの?」と立ち止まっているあなたにこそ、届けたい内容です。
AI時代に本当に求められるのは、ツールを作る能力そのものではありません。
その先にある「仕組みを作る仕組み力」。
これこそが、あなたをその他大勢から一歩抜きん出た存在へと変える、新しい時代の必須スキルなのです。
AIでツールを作るのは「誰でもできる」という現実

まず、厳しい現実からお伝えしなければなりません。
AIエージェントを使って、簡単なツールを作る。
これは、もはや特別なスキルではなくなりました。
驚くほど簡単な「バイブコーディング」
最近では「バイブコーディング」なんて言葉も出てきていますが、要はAIと対話しながらコーディングを進める手法のことです。
- 「こういう機能を持つツールを作りたい」
- 「このボタンを押したら、こう動くようにして」
こんな風に、まるで人と会話するようにAIに指示を出すだけで、コードがスラスラと生み出されていく。
極端な話、だって喋るだけでいいんですもん。
僕も実際に、自分の毎日のX(Twitter)の投稿文を考える負担を減らしたくて、「僕らしい投稿文を一度に6個生成するツール」をAIとの対話だけで作ってみました。
結果、ツイートを考える時間はほぼゼロになり、微修正だけで投稿できるようになったのです。
これはもう、子供でも本当にできます。
だからこそ、「ツールが作れる」ということだけでは、残念ながら価値にはなりにくい時代なんです。
高額教材に潜むワナに気をつけて
この「誰でもできる」という状況を逆手にとって、バイブコーディングを高額で売るような人も出てきています。
- 「AIと話すだけでアプリが作れる方法を教えます!」
- 「初心者でも月収100万円稼げるAI開発術!」
もし、あなたがこんな謳い文句を見かけたら…
それはね、絶対に買わない方がいいです。
AIとの対話だけでできることに、何十万円も払う必要はありません。
本当に必要なのは、せいぜい5,000円以内で入れる環境やコミュニティくらいのものでしょう。
大事なことなので繰り返します。
本当に必要ないです。
本当に必要ないです。
そのお金と時間があるなら、これからお話しする、もっと本質的なスキルを身につけることに使ってください。
価値の源泉は「仕組みを作る仕組み力」にある

「じゃあ、一体どこで差がつくの?」
その答えが、この記事の核心である「仕組みを作る仕組み力」です。
ちょっと意味のわからない日本語が並んでいますけれども、これがめちゃくちゃ重要なんです。
「作業者」から「仕組みを作る側」へ
AIを使ってツールを作る経験の最大の価値は、ツールが完成することそのものではありません。
そのプロセスを通じて、言われたことしかやらない「作業者」のマインドから、物事の全体を設計し、自動化する「仕組みを作る側」の視点へとシフトできることにあります。
これは、車の運転に似ています。
僕たちはエンジンの構造を知らなくても車を運転できますよね。
それと同じで、AIツールを使うだけなら「作業者」です。
しかし、「仕組みを作る側」は違います。
「この道路(タスク)を効率的に走るには、どんなエンジン(ツール)が必要で、それをどう組み合わせれば目的地(ゴール)に最速で着けるか?」と考える、いわば交通システム全体を設計するような視点です。
僕自身、この視点に気づいてから、コンテンツ作りが劇的に変わりました。
以前は「AIにどうやって良い記事を書かせるか?」という”作業”に終始していましたが、今は「僕の思考や価値観をインストールした分身AIが、僕の代わりに価値を生み出し続けるには、どんな仕組みが必要か?」という全体設計から考えるようになったのです。
複数の仕組みを組み合わせる思考法
「仕組みを作る仕組み力」とは、具体的に言うと、
「この仕組みを、さらにこの仕組みと組み合わせて、それをさらにこっちの仕組みと組み合わせて…」
というように、個別のパーツを組み上げて、より大きな自動化のワークフローを構築する力のことです。
僕が構築したブログの完全自動化システムが良い例です。
- まず、僕の価値観や文体を学習した「記事作成AI」という仕組みを作る。
- 次に、記事の内容に合った画像を生成する「画像生成AI」という仕組みを作る。
- そして、それらを統合し、見出しや改行を整え、アイキャッチを設定してSanityに自動投稿する「投稿AI」という仕組みを作る。
これら個別の仕組み(ツール)を組み合わせることで、「ワンクリックで僕らしい高品質な記事が完全に自動で投稿される」という、一つの巨大なワークフローが完成しました。
僕が働かなくても、「さくちょ」という人間が生み出す価値を、分身AIが自動で生み出し続けてくれる。
これが、僕がいま見ている「非常識な未来」の正体であり、「仕組み力」がもたらす圧倒的な価値なのです。
「仕組み力」を今日から鍛える第一歩

「なんだか難しそう…」と感じたかもしれません。
でも、大丈夫です。
このメタレベルの思考力も、日々の小さな実践から鍛えることができます。
まずは小さな自動化ツールを作ってみる
何から手をつけていいか分からないなら、まずはあなたの日常業務の中にある、ちょっとした面倒な作業を自動化するツールをAIと作ってみるのがオススメです。
- 毎日作る日報のテンプレート生成ツール
- Web記事を要約してSlackに通知するツール
- 音声メモを文字起こししてタスクリストに変換するツール
なんでも構いません。
Gemini CLIやCursorといった無料、あるいは安価なツールを使えば、今すぐ始められます。
まずは今週末にでも、1時間だけ時間を作って試してみてください。
この小さな成功体験が、あなたを「仕組みを作る側」へと導く第一歩になります。
AIと「設計図」を対話しながら作る
ツールを作る際は、いきなりコードを書き始めるのではなく、まずAIと対話しながら「どんなものを作りたいか」という設計図を固めることが重要です。
「こうやって、ああやって…」と、慎重にコミュニケーションを取る。
「こういう機能が欲しいんだけど、どうすれば実現できるかな?」とAIに相談する。
この対話のプロセスこそが、「仕組み力」のトレーニングそのものなんです。
僕が主催している講座でも、受講生の方には必ず「あなただけのコンテンツ生成ルールをAIに教える」というワークをやってもらっています。
これはまさに、AIと共にコンテンツ生成の「設計図」を作る作業です。
僕も最初は、うまくAIに指示を出せませんでした。
でも、試行錯誤しながら「こういうこと?」「いや、そうじゃなくて、僕の価値観は…」と対話を重ねるうちに、AIが徐々に「単なるツール」から「最高の相棒」へと進化していく感覚がありました。
この「AIと伴走しながらゴールに向かう」という経験こそが、あなたの思考を根本から変えてくれるはずです。
まとめ

AIが進化する時代、単にツールを作れるだけのスキルは、あっという間に陳腐化します。
誰でもできる「作業」の領域で戦っていても、消耗するだけです。
本当に大切なのは、その一歩先。
個別のツールを巧みに組み合わせ、あなただけの自動化ワークフローを構築する「仕組みを作る仕組み力」です。
この力があれば、あなたはAIを単なる作業者として使うのではなく、あなたのビジョンを実現するための強力なパートナーとして活用できます。
作業者マインドから脱却し、仕組みを作る側の経営者・エンジニア視点を手に入れること。
それこそが、AI時代をワクワクしながら生き抜くための鍵なのです。
この記事を読んで、少しでも「面白そう!」「自分もやってみたい!」と感じていただけたなら、とても嬉しいです。
まずは今週末、あなたの身の回りにある小さな不便を、AIと対話しながら解決する「小さな仕組み」を作ってみませんか?
その一歩が、あなたの生産性を根本から変え、これからのキャリアを切り拓く、大きな飛躍になるはずですから。